メンタルのママ中心の訪問看護をはじめて

 児童虐待防止月間で各地でオレンジリボンリレーなど様々な催しが開催されている。
 オレンジのたすきをかけ走りながら、子どもに体罰をしている親や、それを受け悲しそうな目をしている子どもの姿など思い描きながら走ったのではないだろうか
 私は、行政の保健師を卒業してからの約10年、こども虐待予防を自分のテーマとして活動をしてきた。神奈川県内の保健師や大学の教員とともに「かながわ子ども虐待予防研究会」を設立し保健師の母子保健活動をとおした虐待予防支援の向上を目的に講演会や学習会を開催している。
 その中で、精神疾患をもちながら子育てしている親、特に母親が多い事が浮き彫りになった。これらの人々の支援ができないかと、2022年4月にメンタルのママ支援を中心とした訪問看護ステーションを保健師のOB仲間と立ち上げた。
 開設までは申請書類作成や資金繰りなど慣れない中での四苦八苦の毎日であった。開設後は利用者の確保のため区役所や病院、子育て広場など関係機関へのPRに日参したが、利用者が増えない日々が続き、存続が不安になった時期もあった。
 半年たち、やっと利用者も増え軌道に乗ってきたところである。利用者は統合失調症や双極性障害、パニック障害の乳幼児をもつ母親支援が中心である。区役所からの紹介が多いことから、保健師と連携して支援をおこなっており、緊急事態や支援に困窮した時は相談でき大変心強い。
 利用者から「うちの地区の保健師はとても良く支援してくれて感謝している」との言葉を聞くことも多々ある。行政保健師のOBとしては自分の事の様にうれしい気持ちになる。
 感謝されている保健師に共通しているのは、親子が困った時に迅速に対応し、受診同行など寄り添った支援をしている。そして何よりも温かい気持ちで接している。その気持ちが何よりも大切であることを日々の訪問看護を通して実感している毎日である。

大場エミ