最近(立春)元気づけられたおはなし
季節は三寒四温の候、節分、立春を迎え、春の兆しを感じる頃となりました。温暖地域大阪の季節感です。日本全国を考えるとまだまだ2月は一番雪深く厳寒の季節かもしれません。花屋さんの店先でみかけたクリスマスローズの鉢植えを思わず購入しました。外の寒さのなかで健気に咲いている花々に元気づけられます。
第10回日本公衆衛生看護学会学術集会のオンデマンド配信が1月末で終了しました。このなかで「丸山博先生が遺したもの-「生」を衛る保健師へのメッセージ-」と石井光太氏の「貧困・虐待・・最底辺のリアルと向き合って」は2回もみてしまいました。
丸山先生のメッセージは保健婦雑誌にも記されていました。「・・一番困っている人が立ち上がれるようにするのに保健婦活動というのは非常に重要だと思っているんです。・・・困っている人というのは一生懸命なんです。その人たちの味方になれるか、一線画して管理・指導する態度をとるのか・・・あなたたちが本気でやっておれば守られます。絶対にひとりぼっちにはならんと思います」(丸山博(1979):公衆衛生と保健婦の活動, 保健婦雑誌, 35(12), 91-106)。コロナ禍の今、一番困っている人たちにどうたどり着くことができるか、想像力と創造力が求められています。
「鬼畜の家 わが子を殺す親たち(新潮文庫、2019)」、「虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか(平凡社新書、2019)」などの著者である石井光太氏の講演は、私たちが支援を届けるのが難しいと思っている厳しい『生きづらさ』を持つ人々のリアルの声を伝えてくれました。「本当の支援で大事なのは、その人が生き抜いて、築いてきたものを肯定できなくても、きちんと担保すること」「本人のアイデンティティを守ることが信頼の基盤」などの言葉の数々が印象に残りました。
丸山先生や石井氏からの言葉を、私たちの活動の支えにできればと思っています。
コロナ感染者数の上昇が日々続いていて、まだ頂点をみることができません。本当に先が見えにくく心痛い節分の日です。(理事 上野昌江)